ニュースレター

2014-05-01
Newsletter 2014年5月号 Local法や各業界に特化した労働法の遵守
NY市のEarned Sick Time Act (ESTA)が4月1日から始まった。ESTAはNY市の労働者向けの有給病欠法であり、従業員数5人以上の雇用主が対象である。対象雇用主は5月1日までに書面で従業員にESTAに対応した病欠規程を通知しなければならない。尚、自社で既に有給休暇・有給病欠を有しており、それらがESTAと同等もしくはそれよりも良い内容であれば新たに有給病欠を設定する必要は無い。しかし、ESTAは年間80時間以上働く従業員、即ちパートタイムも対象となっており、多くの企業はパートタイムへの有給病欠付与を考慮した規程の確認と何らかの調整を行なう必要があるだろう。

ESTAのように、州の労働法だけではなく市の労働法が存在する都市があり、特にサンフランシスコ市は様々独自労働法を有している。また、州レベルで業界別に賃金支払いに関する特殊な規定が存在する事もあり雇用主はこれらにも対応しなければならない。人事担当は、自身の所在する州や市だけでなく自社オフィスが存在する全ての州・市の法律を調べ対応ができなければならない。

以下、様々な州・市レベルの法律で、近年変更があった物やあまり知られていない物を書く。(主にNY州とCA州)

Lactation Accommodation: 
オバマケアは、授乳期間中の従業員に対して雇用主は適切な便宜を図ることを求めている。これに伴い、CA州はIL州など一部の州はより具体的な法律を設定している。

Call-in Pay、On-call time:
「終業時間前に会社都合で帰宅させる場合は、労働時間に関わらず最低4時間分の給与を保障しなければならない(NY州Call-in Pay) 」「自宅での電話待機において、従業員が待機中自由に動けるのであれば、待機時間の支払いは必要なし。自由が無く、常に電話がかかってくるような状態であれば、全ての時間は支払い対象。(NJ州On-call time)」これらCall-in, On-callについて法律を有する州は多い。

Jury Duty Pay:
多くの州は無給での休職で良いとしているが「Non-ExemptがJury Dutyに出る際、最初の3日間は$40を払わなければならない(NY州)」「3ヶ月以上働いている従業員(フルタイム・パートタイム両方)がJury Dutyに出る際は、最初の3日間は$50を支払わなければならない(CO州)」など、一部の州で有給扱いとしなければならないため注意が必要。

Weapon for Company Premises:
AL 州、IL州などは2013年に武器所持に関する法律をアップデートしており、登録され適切なケースに入れられた状態で車内に保持されていれば、駐車場に持ち込んでも良い事となっている。規程で「駐車場を含み持込を禁止」としていれば改定が必要であるし、IL州では持ち込み制限を行なうのであれば適切なサインを掲示しなければならない。

バックグラウンドチェック:
CA州やIL州など幾つかの州は、雇用前の身上調査においてCredit Checkの実施に制限を設け始めている。これらの州ではCredit Checkを行なえる職種がかなり限られるため注意が必要

Living Wage Ordinance:
サンフランシスコ、サンノゼ、ロスアンゼルス、ボストン、シカゴ、サンタフェなど市レベルで最低賃金を設定している都市がある。都市によっては私企業が対象となるとは限らないため、自社のある都市が最低賃金を設定しているか対象はどのような組織かを確認すべきだろう。

NY州オファーレター:
通常時給だけでなく残業代レートの記載が求められている。

NY州 Pay Frequency:
Manual Worker(工場労働者など)の給与は毎週払い。その他Non-Exemptは月2回以上の支払いだが、未だに対応していない企業も散見される。
NY州 の特殊支払い: 拘束時間が10時間を越える場合は1時間分の手当てを追加支払いの必要がある。

NY州 Hospitality Industryの特殊支払い:
ホテルやレストラン等が該当業界。ユニフォーム着用を従業員に強制し、ユニフォーム洗濯を従業員にさせている場合は洗濯代支給の必要性がある。このような「業界に特化した支払い規程」は多くの州に存在し、それらはWage Orderに記載されている。

CA州コミッション支払いの同意書:
2013年から、コミッション支払いがある場合は雇用主・従業員間で同意書を交わさなければならない。適切な同意書が結べていない企業(特に州外企業)はまだまだ多い。

サンフランシスコ市各種法律: 
ニューヨーク市に先立ちサンフランシスコ市は2007年に有給病欠のルールを設定している。これだけでなく「ヘルスケアの一部支払い」「通勤に対するベネフィットの設定」などが設けられている。また、2014年からは「従業員数20人以上の企業は、従業員の出退社時間にフレキシビリティを与えなければならない」という法律も施行されている。

上記は各州法律の全てではない。また、今回例示しなかった州や都市にもそれぞれ独自の法律がある。自社拠点が所在する州や都市の法律を再確認し、自社規程がそれらを遵守しているかを確認して欲しい。

Akira Takahashi
HRM Partners, Inc. Vice President & Partner
atakahashi@hrm-partners.com