ニュースレター

2007-07-01
7月号ニュースレター
部下に対する人事考課と懲戒の実施または新規従業員の募集および採用などは、多くのマネージャー達にとって厄介ごとと思われている。その結果、マネージャー達が雇用前の正しい手順に従わず、彼らによって採用された候補者達がそれらポジションに不適格だったと言うことが頻繁に起こり、それが故、後には彼ら自身が是正・懲戒から解雇に至るネガティブなアクションを同従業員に対して行わざるを得ない状況に直面することとなる。以上を省みれば、採用時にもっと多くの時間を費やしていれば、候補者を選ぶ成功度は遥かに増すことになる。以上、これら雇用主の間違いを防ぐためには、下記の雇用の際の『最善策best practices』8項目に従うことをお勧めする。

#1: Failing to plan(差別のない職務内容指示書を基にした募集広告の作成)- 空きのあるポジションの正確な職務内容指示書を基にjob posting(募集広告)の用意から始めること。これを行なうことにより、その職の成功に不可欠なスキルや能力を見極め、それらを優先することが可能になるであろう。つまり『必要とされるスキルや知識』の構築、および『必須』『望ましい』などの相対的な価値の位置づけは、幾人かの面接官が候補者達のその職への適合性をよりよく評価するのに役立つであろう。またThe Americans with Disabilities Act.(米国障害者保護法)によって要求されるように、主要職務内容を明確にしておけば、会社があとに差別で告発された場合にそれは会社を擁護することになり得る。さらに全ての適切な候補者達に機会を与えずに故意的にジョブサーチを最小限度に留めた結果、EEOC(雇用機会均等委員会から『systematic discrimination(意図するしないにかかわらず、差別が生じるシステム)』などと指摘されないようjob net(募集ソース)を広げるように注意すること。

#2: Failure to retain applications(履歴書および雇用申請書の保管)- 最適な候補者を採用するとなれば、ほかの面倒な事務処理ごとは考えたくないかもしれないが、応募のあった全てのレジュメ・雇用申請書および面接時に取った記録(ノート)は最低2年間は保管する必要がある。不採用となった候補者から偏見を理由に告発される可能性があるためで、会社の決定を裏付ける書類は必ず保持すべきである。また、求められていない(余計な)レジュメは採用選考対象として一切受け入れないこと。一通でも受け取ってしまったなら、送られてくる全てのレジュメを考慮しなければいけなくなってしまう。またインターネットまたは電話で志願してきた候補者達に対しても他の候補者同様に取り扱われなければいけない。

#3: Letting untrained supervisors interview(面接を行なうマネジメントに対する十分なトレーニングの実施)- 不必要な発言は適切な雇用プログラムをも台無しにしてしまう。珍しい外国名またはアクセントについて、もしくは明らかに妊娠している思われる候補者に出産予定はいつ頃なのかを尋ねることは、自然な会話の流れかもしれない。しかし、仕事に関連性のない質問は不採用となった候補者から採用時の差別行為として指摘される可能性がある。

#4: Failure to ask about restrictive covenants(制限を課す契約書の存在の確認)- 昔は、従業員が退社したらそれで全てが終了であったが、今日では話が異なる。候補者が前に勤めていた企業と企業秘密の合意、並びに競合禁止の同意を交わしている可能性があることを理解すべきである。つまり多くの企業が、(退職していく従業員に対して)実際の雇用期間を超えた期限付きでの契約書を交わしているのが現状であり、面接時にそのような合意書が存在するかどうかを確認する必要がある。あなたが選抜した新入社員がそれに違反した場合、会社に対しての起訴だけではなく、上司となるあなた自身も訴えられる可能性がある。参考までに、このようなケースでは違反した候補者よりも会社がより多くの打撃を受ける可能性が高まる。故に次の質問を候補者に尋ねることを勧める『(あなたの雇用を禁止または制限することができる合意書が存在しますか?)』。もしその回答がYesの場合、その書類を読み、前の会社の企業秘密を絶対に聞かないようにすることは勿論のこと、候補者に対しても『あなたの以前の勤め先である会社の情報は共有しないで下さい。』と伝えるべきである。

#5: Lack of reference and application checks(身元照会および雇用申請書の確認)- 候補者の56%が履歴書および雇用申請書に『不正確な情報』を記載して提出している、ということが調査で明らかになっている。従い、採用過程の一部として、身上調査サービスを利用することを勧める。このサービスは、雇用履歴、軍隊歴、運転およびクレジット歴などの情報をチェックするものである。これには候補者から同意書を得ておき、仮に悪い情報が出た場合は候補者へ報告するという必須の慣例にも忘れず従うことが大切である。また、候補者の前の会社の上司に連絡し、照会するのもよい習慣である。これを行うことにより、前の会社の責任とされるであろう『公式な問題情報の提供を渋る状況』を回避できるかもしれない。

#6: Inadequate or no offer letter(必須情報が含まれたオファーレター)- 多くの企業が不備な、または不十分な表現を用いたオファーレターを準備している。オファーレターは普通の意味の『手紙』のことではなく、後に混乱の起こらないように雇用に関する情報を文書にして表すものである。オファーレターには、job title(役職名)、reporting relationship(直接の上司)、勤務時間、べネフィット(彼らには資格のある全ての従業員に与えられるべネフィットだけを説明すればよい)、および付随する事柄(ドラッグまたはの他の検査および給料やボーナスプランに関することなど)が記載されるべきである。
給料についての記載には『annual』という単語の使用を避けること。これは1年未満に退社した場合でも1年分の給料の支払いが生じることを意味してしまう。また、レターには『これは契約』ではなく、完全な『at-will(任意雇用)』であることを記載すること。これらが確実に記載されているレターはintegrated letter(完全なレター)と呼ぶことが可能で、そのレター以外には約束するものは他にないことを意味することになる。

#7: Inadequate orientation(十分なオリエンテーション)- 新入社員をシニアマネージメントへ紹介し、総体的な戦略およびミッションに関する『上層部の見解』を知らしめる説明会を設けることを勧める。また、適切なpersonal introductions(工場またはオフィスの見学および組織への参加を歓迎されていることが新入社員に説明される類の活動)を用意すること。また『buddy system(新入社員を新しい仕事を開始する時に出てくる全ての様々な質問や職務に対してヘルプできる熟練した従業員と組み合わせるシステム)』を使用するのもよい習慣である。
また、新入社員に出社初日以前であってもconfidentialityおよびnon-compete agreementsに署名してもらえるよう確実にしておくことも大切である。これは就労開始日と署名した日付にギャップがある場合、合意書の効力を弱めることになってしまうからである。

#8: Doing it all yourself(複数での対応)- 採用の全過程は決して容易ではないので一人で処理するべきではない。職務内容指示書の作成から2人以上で行なう面接、オリエンテーションの実施に至るまでの全ての段階において複数人が関わること。これは信頼および責任を共有(分担)することによって、誤りや非難される確率が少なくなるであろうためでもある。

労働法 -質問と回答
雇用主は勤務(営業)時間外に従業員と連絡を取る手段を提供するよう従業員に強制することは出来るか?

質問: 雇用主が勤務時間外(緊急時)に従業員と連絡を取る為に電話、携帯電話またはメッセージ番号の手段を提供するように従業員に要求することは可能か?雇用主はその際従業員に費やした時間分に対して支払う義務はあるのか?

回答: 雇用主はそれを要求する事はできるが、従業員がノンエグゼンプトである場合は、費やした時間分の支払い義務が生じる。他方、マネージャーや専門家などのエグゼンプト従業員には勤務時間外の職務遂行に対する支払い義務はない。