ニュースレター

2017-06-21
Newsletter June 21, 2017: “Ban the Box” 法 施行の勢い
EEOCは、多くの雇用主が、重罪を犯した者の採用をその理由だけで拒否する「ブランケット規則」を基本方針としていた事から、事実調査を行い、「一般に、雇用主は、犯罪歴を持つ者を雇わないとのブランケット規則を保持するべきではない」との指南書を2012年4月付けで発行、これが“Ban the Box”法の施行に繋がった。

“Ban the Box” との呼称は、雇用申請書上に「犯罪歴の有無を問う」質問欄のBOX自体を設ける事を禁じるとの意味から来ており、結果、採用活動の初期の段階において、求職者に犯罪歴に関する質問「過去に重罪に問われたことはありますか?」を行うことを禁止し、且つ、身上調査を行う事も採用の後期段階まで遅らせねばならない事となった。

これにより、雇用主は、仮に犯罪歴の有無を採用時に考慮するにせよ、少なくとも犯罪の性質・起こした時期を各々の職務の性質・内容を検討した上で、適用される(犯罪記録の)規則が職務に関連するものであり、且つ、事業の必然性に則っているかどうかを確立し、評価する機会を個別に為さざるを得なくなった。

繰り返しとなるが、雇用主が、採用時に候補者に対し、犯罪歴による偏見を持たず職務遂行能力を考慮するよう“Ban the Box”を導入する機運は年々高まっており、このポリシーを導入しているのは現時点で次の;
California (2013), Colorado (2012), Connecticut (2010), Delaware (2014), Georgia (2015), Hawaii (1998), Illinois (2015), Kentucky (2017), Louisiana (2016), Maryland (2013), Massachusetts (2010), Minnesota (2013, 2009), Missouri (2016), Nebraska (2014), Nevada (2017), New Jersey (2014), New Mexico (2010), New York (2015), Ohio (2015), Oklahoma (2016), Oregon (2015), Pennsylvania (2017), Rhode Island (2013), Tennessee (2016), Utah (2017), Vermont (2015), Virginia (2015) Wisconsin (2016)の合計28州である。

また全米の150以上の市・カウンティでも独自にBan the box法を導入している。
(代表都市:Baltimore, MD; Buffalo, NY; Newark, NJ; Seattle, WA; San Francisco, CA; Boston, MA; Philadelphia, PA; Detroit, MI, Austin, TX; 等)

これら各地域に所在する民間雇用主は、候補者の申請時における犯罪歴に関する質問を取りやめねばならないが、同法の支持者達はこの動きが全米に広がることを強く支持している。

(文責: HRM PARTNERS, INC. 上田宗朗)