ニュースレター

2008-07-01
7月号ニュースレター
『OWBPAの厳しいコンプライアンス』

レイオフにおける権利放棄同意書を無効にした裁判所の判断: 解雇の際に用いる権利放棄同意書、これを使えば雇用主は訴訟されることなく平和的解決が可能となり加えて退職金額をも限定できるが、当然のことながら法に沿った適切な方法で作成しなければならない。ミネソタ州地方裁判所は、高齢者ベネフィット保護法(OWBPA)をたてに集団訴訟を起こした元従業員らの訴えを支持し「既に署名した権利放棄同意書には本人が承諾し自発的に権利を放棄するという必須条件が欠如している」という理由から法的効力はないと結論付けた。人員削減に伴い解雇された従業員らは、会社は高齢の従業員ばかりを解雇しており、これは年齢差別禁止法(ADEA)に違反であると主張していた。

権利放棄同意書が有効か否かは、その作成者がOWPBAの法令を遵守しているかどうかによるが、今件で使用された権利放棄書は、解雇される従業員総数が歪められ且つ職種も明確にされていなかった。更に雇用機会均等委員会(EEOC)に訴訟の申し立てを行える従業員の固有の権利を放棄するよう要求してもあった、との状況により、裁判官は権利放棄同意書が無効であると結論付けた。OWBPAではADEAによる個人の権利が放棄されるためには当事者が「承知し自発的である」ことが大切であるとしている。法律によると権利放棄同意書には最低限以下のことが含まれていなければならない。
1. 従業員が理解できるよう配慮して書かれていること
2. 法により与えられる特定の権利及び申し立てを明記すること
3. 将来的に生じる権利を放棄するものではないこと
4. 従業員に既に持っている権利を放棄させる代わりにそれ以上の価値ある報酬を与えること
5. 弁護士と相談することも可能であり、それについても書面で勧めること
6. 渡された同意書を熟考するための期間として最低21日間、複数解雇の場合は45日間を与えること
7. 一旦なされた合意を取り消す期間として従業員に最低7日間を与えること
8. 人員削減など別種の解雇では、A)解雇プログラムの対象となった従業員及び対象にはならなかったが同じ職種・組織の従業員のタイトルと年齢、 B) 解雇プログラムの適正 C) 解雇プログラムが適用される期間を知らしめること。

上述の裁判官は、法による「根本的なコンプライアンス」が十分でなかった点を強調し、人員削減で実際に解雇されたのは152人であったにも拘らず154人の従業員が解雇されたと不正確に伝えていたため、今回従業員により放棄された権利の幾つかは法的に無効となるとし、更に開示情報の中のエンジニア用にリストされていた4つの異なるポジションは同じグループではなく、各ポジションに対するいかなる定義も説明もなされていなかった為混乱を引き起こしたと判断した。また裁判では従業員がEEOCに申し立てを行ったりEEOCの調査に協力したりすることを禁止する条項は不当であるとされた。結論としてこの決定は、権利放棄同意書条項とOWBPAの提出物は意図する効果を持たせるためには完全に正確且つ明確でなければならないという雇用主に対する忠告となり、従って雇用主は、OWBPAのコンプライアンスだけでは不十分であり且つ要求されている基準値が非常に高いことを理解しておくべきである。