その呼び名を耳にしたことはあっても、「具体的にはどんなもの?」「ビザとはどう違うの?」など、疑問を持ったことがある方も多いのではないでしょうか。

グリーンカードは、アメリカでの居住・就労の資格を証明するもので、一定期間の滞在を許可するビザとは性質が異なるものです。

本記事では、グリーンカードの基本情報から取得方法、メリット、注意点までを解説します。また、制度の動向についても解説し、取得を検討する際の考え方についても紹介します。

現実的なアメリカ滞在の方法についても触れているので、移住を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

アメリカでの転職回数の平均と勤続年数の目安

米国の労働者を対象に1978〜2022年に実施された追跡調査の結果、18歳から58歳までの間に経験する職の数の平均は12.9とされています。

最初に就いた職を1つ目としてカウントすると、アメリカでの平均的な転職回数は11.9回ということになります。

また、アメリカ労働統計局(BLS)の2024年時点のデータでは、勤続年数の中央値※は3.9年です。

※中央値とはデータを数値順に並べたときに、ちょうど真ん中に位置する値のことです。

転職回数や勤続年数のデータから、アメリカでは4年前後で職を変えるキャリアパターンが一般的であることが分かります。

一方、厚生労働省のデータによれば、日本の一般労働者の平均勤続年数は12.4年です。調査手法が異なるため日米の転職回数の単純比較はできませんが、アメリカの勤続年数の中央値(3.9年)と比べると、日本では一つの企業に長くとどまる傾向が強いことが明確に読み取れます。

こうしてデータを見ると、日米では転職に対する考え方やキャリア形成の前提そのものが異なることが見えてきます。

【参考】BLS「NUMBER OF JOBS, LABOR MARKET EXPERIENCE, MARITAL STATUS, AND HEALTH FOR THOSE BORN 1957-1964」

BLS「EMPLOYEE TENURE IN 2024」

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」

【参考】米国国土安全保障省「Redesigned Green Card 2023」

アメリカで転職回数が多い理由

アメリカでの転職回数の平均が日本に比べてはるかに多くなる理由には、主に次の2つの点が挙げられます。

  • 能力給制の文化
  • 解雇・レイオフの影響

それぞれがどのように転職に対する考え方に影響するのか見ていきましょう。

アメリカでは、職務に応じて報酬が決まる「職務給(ジョブ型雇用)」の文化が根付いています。

この場合、給与や待遇は「人」よりも「ポジション」にひもづいて設定されるのが一般的です。日本のように年齢や勤続年数に応じて自動的に昇給・昇進する仕組みは主流ではありません。

より高いポジションや給与を目指すには、社内でポジションに空きが出るのを待つか、転職してほかの企業に機会を求めるという選択が一般的です。

そうした背景もあり、転職はキャリアアップのために必要な選択とみなされ、採用側からポジティブに捉えられる傾向があります。

転職回数が多いと「すぐに辞めてしまうのでは」と懸念する日本とは異なり、米国では数年で辞めることを前提に採用している場合も多くあります。

転職は、必ずしもポジティブな理由だけで起こるものではありません。アメリカでは合併や買収、事業再編などが比較的頻繁に行われるため、ビジネス環境の変化が大きいのが特徴です。

終身雇用の考え方は一般的ではなく、解雇やレイオフ(一時解雇)によって転職を余儀なくされることもあります。

一方で、こうした雇用の流動性の高さを前提に、自ら安定や成長機会を確保しようと動く人もいます。

将来的なリスクに備え、業績を上げている企業への転職を検討するのも、解雇やレイオフが比較的一般的である雇用環境が影響しているでしょう。

アメリカでの転職回数の現実的な見方|採用側の視点

アメリカでは転職回数が多いことが必ずしもネガティブになるとは限りません。候補者のスキルや経験が募集ポジションに合っていれば、転職回数が多くても採用につながることは多くあります。

ただし、採用側が重視しているのは回数そのものではなく、キャリアに一貫性があるか、意図を持って転職しているかという点です。

短期間での転職を繰り返していると「ジョブホッパー」と見なされ、慎重に判断されることもあります。

BLSの2024年1月時点のデータから一部の職業分野の勤続年数の中央値を抜粋すると、以下のようになります。

職業分野勤続年数の中央値(2024年1月時点)
コンピュータ・数学4.3年
建築・エンジニアリング4.9年
法律4.0年
食品調理・配膳2.0年
販売3.3年

BLS「Table 6. Median years of tenure with current employer for employed wage and salary workers by occupation, selected years, 2014-2024」をもとに作成

業界・職種によって差はありますが、多くの職種で勤続年数の中央値は2〜5年程度となっています。

1〜2年という短期間での転職を繰り返していると、採用側からは慎重に見られる可能性があります。

重要なのは、転職が長期的な視点にもとづく、戦略的なものであったかどうか。

短期間での転職を重ねている場合は、その背景や意図を、説得力を持って説明できるよう準備しておくことが求められます。

アメリカでは転職回数をどうアピールする?

アメリカの採用では、それまでの転職経験をアピールにつなげることがポイントになります。

履歴書やビジネス系SNSのLinkedInでのアピール方法や、面接時の対応について確認しておきましょう。

履歴書やLinkedInでの書き方

先にも解説したとおり、過去の転職経験については、採用側に転職の意図や戦略性を示す必要があります。

何社経験したかではなく、それぞれの転職によりどのように専門性を高めてきたかを伝えることが重要です。

履歴書では、単に業務内容を羅列するのではなく、「何を達成したか」を中心にまとめます。

数字やパーセンテージを使って成果を具体的に示しましょう。応募職種につながるプロジェクト経験や、専門性の強化につながった経験は、説明量を増やすなどして強調するのもテクニックの一つです。

また、LinkedInでは、経歴欄の整理に加えて、About欄でキャリア全体をストーリーとして示すことも意識しましょう。

どの分野に軸を置いているのか、どの方向を目指しているのかを示し、キャリアの一貫性を示すよう工夫してください。

面接時の伝え方

面接で転職理由について詳しく聞かれた際は、転職の背景や目的を一貫したストーリーとして説明できるかが重要になります。

短期間で転職した経験がある場合でも、隠したり誇張したりせず、率直に説明することが大切です。

「なぜその環境を選んだのか」「そこで何を学んだのか」「その経験が次にどうつながったのか」を伝えられると、前向きな印象になります。

転職理由は「逃げ」ではなく「挑戦」や「成長」の選択として伝えることがポイントです。

前職の不満を言うことは避け、自分の取り組みや学びを軸に、転職の背景を前向きに説明しましょう。

学んだことを応募ポジションに生かせることまで語れれば、より具体的なアピールにつながります。

離職期間の説明の仕方

離職期間がある場合、面接でその理由や過ごし方について詳しく聞かれることもあります。ポイントは、その期間を「何もしていなかった時間」に見せないこと。

転職活動が長引いていたとしても、その間にどのような行動をとっていたのかを具体的に伝えられるようにしておきましょう。

スキル向上や資格取得のための学習も、アピールにつなげられることです。個人的な理由であっても、簡潔かつ誠実に伝えれば問題ありません。

挫折や失敗があった場合も、それをどのように受け止め、行動をどう変えたのかまで語れると、成長力や柔軟性のアピールになります。

離職期間は「空白」ではなく、自身の選択や行動を通じて次の段階へとつながった時間として説明できるよう準備しましょう。

アメリカでの転職の流れ

転職経験のアピール方法を確認したら、現地での転職の流れについても見ておきましょう。

大まかには次の4つのステップがあります。

    1.求人探し・応募

    求人情報の探し方には、求人サイトのほか、転職エージェントや知人からの紹介などさまざまな方法があります。

    リクルーターからスカウトを受けることもあるため、LinkedInのプロフィールを整えておくことも可能性を広げる手段として有効です。

    応募はオンラインで行う場合が多く、英文履歴書をアップロードし、応募理由や適性を示すカバーレターを求められることもあります。

    2.面接・レファレンスチェック

    書類選考後、多くの場合、スクリーニング面接(電話またはオンライン)が行われます。

    スクリーニング面接は、経歴や応募理由、現在の就業状況、希望給与、就労ビザの有無など、基本的な条件面の確認が中心です。

    候補に残ると、その後に数回のオンライン面接や対面の面接の機会が設けられます。

    さらに選考が進むと、最終段階として必要になるのが、レファレンスチェック。

    多くの場合、応募者の経歴や人物評価を確認するため、前職の上司や同僚の連絡先の提出を求められます。

    加えて、調査会社を通じて学歴や犯罪歴のチェックが行われる場合もあります。

    3.オファー

    すべての選考を通過すると、雇用条件を記載したオファーレターが提示されます。

    オファーレターには、給与、雇用形態、勤務開始日、福利厚生、レターの有効期限などが記載されています。

    4.オファー後の給与・条件交渉

    日本では提示条件をそのまま受け入れるケースが多いですが、アメリカではオファー後の交渉は珍しいことではありません。

    提示された条件を見て、不明点があれば質問します。内容に納得できない点がある場合は、この段階で相談や交渉をするのが一般的です。

    双方が条件に合意すれば、正式に採用が決まります。

    転職活動に必須のネットワーキング

    アメリカでの転職活動では、ネットワーキングも重要なポイントです。

    求人サイトや転職エージェントを通じた応募も有効ですが、人脈を通じて、一般に公開されていないポジションの情報を得られることもあるからです。

    知人や業界のつながりからの紹介があると、書類選考で埋もれにくく、面接まで進みやすい傾向もあります。

    LinkedInを活用したネットワーキングのほか、業界イベントやミートアップなどに積極的に参加し、深い関係性を築いておくのがおすすめです。

    また、新しい関係性づくりだけでなく、既存の関係性を良好に保っておくことも大切です。

    日頃から誠実なコミュニケーションを心がけることで、推薦や支持が集まり、転職やキャリアの機会につながることがあります。

    転職回数も含めた戦略的アピールなら専門家のアドバイスも参考に

    キャリアの整理やアピール方法に不安がある場合、転職エージェントの活用も一つの選択肢です。

    転職経験を評価につなげるには、それぞれの転職がキャリアアップにつながっていることを適切に伝える必要があります。

    しかし、自身のキャリアを客観的に整理し、言語化するのは簡単ではありません。

    転職エージェントを活用し、第三者の視点からアドバイスを受けることで、より説得力のある伝え方を見つけやすくなります。

    特にアメリカでの就職・転職に精通しているエージェントを利用すれば、業界のトレンドや市場のニーズに詳しいリクルーターから的確なアドバイスを期待できます。

    Actusもそうした支援ができる転職エージェントの一つです。ニューヨークを拠点に、ロサンゼルスやシカゴ、ダラスなどの主要都市での現地就職・転職をサポートしています。

    キャリアの整理やアピール方法に不安がある場合は、まずはご登録、またはお気軽にお問い合わせください。

    まとめ

    アメリカの雇用文化は日本とは大きく異なり、転職回数が多くても、必ずしもマイナスになるとは限りません。

    重視されるのは回数ではなく、その一つひとつの選択にどのような意図があり、どう成長や成果につなげてきたかということです。

    履歴書での見せ方や、面接での伝え方では、業務内容をただ並べるのではなく、達成してきたことや専門性が役立ってきたことを具体的に示すことが求められます。

    転職経験は、伝え方次第で強みに変わります。これまでの経験を整理し、自分のキャリアの方向性を説明できるようにしておくことが大切です。

    必要に応じて専門家のサポートも得ながら、転職経験をうまくアピールし、今後のキャリアにつなげてください。


    このコンテンツはパスワードで保護されています。閲覧するには以下にパスワードを入力してください。