アメリカでの就職を考える際、「アメリカの就活は日本とどう違うの?」「現地での就職活動はどう進めるべき?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

就職活動を成功させるためには、現地の採用文化や選考の流れを理解し、現地の採用スタイルに合わせて準備を進めることが大切です。

この記事では、アメリカの就活事情を、日本との違いと併せて解説します。

就職活動の基本的な流れや成功のポイントも詳しくご紹介しますので、アメリカでの就職を目指す方はぜひ参考にしてください。

アメリカの就活は日本とどう違う?

日本人がアメリカでの就職を考える場合、「就労ビザが必要」ということだけでなく、ほかにも理解しておくべき点が多くあります。

特に、次の5つのことを整理しておきましょう。

  • アメリカでは「新卒一括採用」がなく通年で採用する
  • 採用では学歴や個人の実績が評価される
  • 大学卒業後の就職ではインターン経験が重視される
  • 選考はオンラインで完結することが多い
  • 転職回数が多くても不利にはならない

以下でそれぞれ詳しく解説します。

アメリカでは「新卒一括採用」がなく通年で採用する

日本では「新卒一括採用」が一般的ですが、アメリカではポジションに空きが出たときに人材を採用するのが主流です。

こうした採用方針の違いは、日本とアメリカの雇用に対する考え方の違いとも関係しています。

主な違いをまとめると、次のようになります。

日本アメリカ
メンバーシップ型が主流
(人に職務を当てる)
ジョブ型が主流
 (職務に人を当てる)
・新卒一括採用が一般的
・ポテンシャル採用が多い
・通年採用が基本
・ポジションごとに採用

社員を雇い、育てていく文化が強い日本とは異なり、アメリカでは採用後すぐに生かせるスキルや経験があるかが重視されるのが特徴です。

ポジションごとの求人では、Entry level(経験の浅い人向け)やSenior level(経験者)などのレベルに分けて募集されます。

新卒者はEntry levelのポジションに応募したり、インターンシップで経験を積み重ねたりしてキャリアを構築できます。

採用では学歴や個人の実績が評価される

アメリカでは、採用後にどのように活躍できる人材なのかを見極めるため、学歴や個人の実績が重視される傾向があります。

学歴は、どのような知識やスキルを身につけてきたのかを見られる項目です。

新卒の場合は、成績の平均を数値化したGPA(Grade Point Average)が参考にされることもあり、学業への取り組みや基礎的な能力を示す指標として見られます。

また、アメリカの採用では「即戦力」となる人材が求められるため、これまでにどんな実務経験を積んでいるかも重要です。肩書きではなく、「実際に何ができるのか」という実力面が見られます。

新卒者の場合、採用の際には、関連の実務経験があるかの判断材料として、インターンシップの経験が注目されます。

このため、多くの学生が在学中にインターンを経験し、その実績を武器に就職活動を進めるのが主流です。

インターン先でそのまま就職となるケースも多く、学生のうちにインターンに積極的に参加することが大きな意味を持ちます。

選考はオンラインで完結することが多い

アメリカでは、応募書類の提出から選考まで、すべてオンラインで完結するケースも少なくありません。

これは、各地から候補者を集める場合に、国土が広く移動負担が大きいことに加え、時差への対応が必要となることが背景にあると考えられます。

応募書類はオンラインフォームやメールでの提出とし、面接は電話やオンラインで行うという進め方が多く見られます。

転職回数が多くても不利にはならない

アメリカでは、新卒入社後、転職を重ねてキャリアを築く文化が深く定着しています。そのため、日本とは異なり、転職回数の多さが必ずしも不利に働くとは限りません。

ポジションによって仕事内容や給与が固定されるため、昇給や昇進のチャンスを求めて転職するのはよくあることです。

米国労働統計局(BLS)のデータによれば、アメリカ人は生涯で平均12回前後の職を経験するとされています。

ただし、キャリアの一貫性や、転職理由に説得力があるかなどは採用の際に問われるポイントです。

回数の多さが直接不利にならないとはいえ、どのような意図で転職したのかを筋道を立てて説明できるようにしておく必要があります。

アメリカでの就活の流れ

Actus就活

現地の採用文化について確認したら、次に就職活動の流れについても押さえましょう。アメリカでの就職活動は、大きく分けて、次の3つのステップで進みます。

  1. 求人探しと応募
  2. 書類選考・面接
  3. オファーの獲得

それぞれ詳しく見ていきましょう。

求人探しと応募

自分のスキルや経験を整理し、英文履歴書(レジュメ)にまとめたら、自分に合った求人を探して応募します。

求人情報の収集では、求人サイトや転職エージェントを活用するほか、知人に紹介を依頼するのも方法の一つです。

気になる求人を見つけたら、求められるスキルや経験に合わせて履歴書の内容を調整し、応募に進みましょう。

なお、日本の新卒採用では履歴書やエントリーシートなど独自の書類が用いられますが、アメリカでは新卒と中途で応募書類に大きな違いはありません。

多くの場合、英文履歴書に志望動機をまとめたカバーレターを添えて、オンラインフォームやメールで応募します。

書類選考・面接

書類選考を通過し、候補者に残ると、まずは電話またはオンラインでの面接があります。

最初の面接は、経歴や勤務開始可能日などの確認をし、職務適性を見る「スクリーニング面接」であることがほとんどです。

スクリーニングを通過すると、その後はオンラインまたはオフラインで面接が数回続きます。

面接は人事部の担当ではなく、採用後に上司にあたる人や配属先のチームメンバーと行われることが多いです。

オファーの獲得

面接が進み、最終候補者に残ると、実際の業務内容や人柄について前職の上司や同僚に確認する「レファレンスチェック」が行われるのが通例です。

併せて、犯罪歴や経歴詐称の事実がないかを確認するための「バックグラウンドチェック」が行われ、問題がなければ、企業からオファーレターが出されます。

オファーレターには、職務内容や給与、勤務場所、福利厚生など、雇用に関する各種条件が示されます。

日本では企業から出された条件をそのまま受け入れる傾向が強いですが、アメリカでは条件に対し、交渉の余地があることが一般的です。

両者でオファー内容に同意が取れると、正式採用が決まります。

アメリカでの就活成功に欠かせないポイント5選

アメリカ 就活成功

アメリカでの現地就職のためには、次の5つを意識しておくことが大切です。

  • インターンシップで経験を積んでおく
  • ネットワーキングで人脈を広げておく
  • アメリカの形式に沿って履歴書を作成する
  • 面接ではセルフブランディングを意識する
  • 転職エージェントを活用する

以下で、それぞれ詳しく解説します。

インターンシップで経験を積んでおく

先に解説したとおり、大学卒業後すぐの就職活動では、実務経験の一つとしてインターンシップの経験が欠かせません。

日本人留学生を含む学生ビザ(F-1)保持者は、Curricular Practical Training(CPT)やOptional Practical Training(OPT)を利用することで、専門分野に関連したインターンシップへの参加が認められます。

CPTはカリキュラムの一部としてインターンができる制度で、OPTは学位取得前後で12カ月(STEM分野の場合は最長36カ月)の期間にわたりインターンや就業ができる制度です。

インターン先を見つけるには、キャリアセンターの活用や教授への相談など、積極的な情報収集を進めておきましょう。

ネットワーキングで人脈を広げておく

紹介による採用も珍しくないアメリカでは、人脈形成を意識的に行うこともポイントです。

人脈を築くことで、就職活動に必要な情報を得やすくなるほか、紹介によって選考がスムーズに進むケースもあります。

ビジネスイベントへの参加やOB・OGとの面談、メンターへの相談など、人と会う機会を増やし、人脈を広げておきましょう。

アメリカの採用シーンではビジネス系SNSの「LinkedIn」も広く活用されているため、積極的なつながりづくりや発信に取り組むのもおすすめです。

ただし、ネットワーキングは紹介を受けることだけを目的にすればいいものではありません。一方的に頼るのではなく、相手にも価値を返しながら信頼関係を築く意識が大切です。

アメリカの形式に沿って履歴書を作成する

アメリカで使われる履歴書(レジュメ)は、日本のものとは形式や構成が異なります。

例えば、年齢や性別などの個人情報や顔写真は基本的に不要とされます。これは見た目や属性による採用差別を避けるためです。

また、即戦力を重視するアメリカでは、職歴欄で具体的な職務内容や成果を示すことが求められます。「売上を◯%向上」といったように、数値を用いて実績を具体的に示すことでしっかりとアピールにつなげましょう。

近年の採用現場では、システムによるキーワード検索で応募書類の絞り込みをしているケースも少なくありません。求められるスキルや経験を理解し、レジュメに関連性の高い語を戦略的に含めることも不可欠です。

面接ではセルフブランディングを意識する

面接は、自分の経験や強みをもとに、企業に対しどう貢献できるかを伝える「セルフブランディング」の場です。

自分の価値を正しく伝えるためには、質問に対して一貫した軸を持ち、強みや考え方を明確に示すことが求められます。

効果的に自分の強みや考え方を伝える方法の一つに「STARメソッド」があります。

STARメソッドとは、以下の4つの要素を順に説明し、自身の行動と得られた成果を分かりやすく伝えるフレームワークです。

  • Situation(状況)
  • Task(課題)
  • Action(行動)
  • Result(結果)

STARメソッドを使って、実績を「再現性のある成果」として提示することで、採用後の活躍のイメージを説得力を持って伝えられます。

面接官の質問に対し、ぶれずに考えを伝えられるように、過去の経験を振り返り、実績や成果をストーリーで語れるよう整理しておきましょう。

転職エージェントを活用する

多くの求人情報の中から、自分に合ったものを見つけるには、転職エージェントの利用も有効です。

エージェントは企業との広いネットワークを持ち、求人サイトには掲載されない「非公開求人」を扱っていることも多くあります。

また、現地就職に詳しいプロのサポートがあれば、求人探しから履歴書の作成、面接対策まで、幅広くアドバイスを受けることが可能です。

特に、強いネットワークを持つエージェントの活用なら、企業側の本音も踏まえた的確なアドバイスを受けられるのもメリットです。

アメリカの就職・転職を専門とするActusでは、現地の採用文化に精通したリクルーターが、あなたの希望に合わせて柔軟に就職活動をサポートします。

20年以上にわたる支援実績の中で築いたネットワークを生かし、日系企業での採用サポートも行います。

アメリカでの就職活動をより効率的に進めるなら、まずはご登録、またはお問い合わせよりお気軽にご相談ください。

最後に、アメリカでの就活に関してよくある質問とその回答を紹介します。

アメリカでの就活に関するFAQ

最後に、アメリカでの就活に関してよくある質問とその回答を紹介します

Q
アメリカと日本の就活の違いは何ですか?
A

主に、採用の仕組みと求められる人材に大きな違いがあります。

アメリカでは、日本のような「新卒一括採用」は主流ではなく、ポジションごとに必要な人材を通年で採用するのが一般的です。

また、日本では採用後の研修で社員を育てる文化が強くある一方で、アメリカでは入社後すぐに活躍できる人材を求める傾向にあります。

アメリカでは新卒であってもポジションに関連する経験が重視されるため、多くの学生が在学中または卒業後にインターンシップを経験します。

Q
アメリカでの就活はいつから始めるべきですか?
A

新卒者であっても実務経験が重視されるため、大学2~3年生の夏休みのインターンシップを就職活動の第一歩として準備を進めるのが主流です。

アメリカでは、日本のような「新卒一括採用」はほとんど見られず、就活解禁日のようなものもありません。企業は、新卒・中途問わず、欠員補充や新規プロジェクトの開始のために通年で人材採用するのが基本です。

このため、卒業後に就職活動を始めることも可能ですが、早めの内定獲得を目指す場合は、以下のスケジュールを考慮しましょう。

  • 大学23年生の夏休み:インターンシップに参加して実務経験を積む
  • 大学最終学年(秋以降):インターンの実績をもとに、早い人はこの時期から本格的に就職活動を始める
  • 卒業の3~4カ月前:卒業までの内定獲得に向け多くの学生が動き出す

インターン先で成果を出し、評価されると、そのまま卒業後の採用につながるケースもあります。

Q
アメリカでの就活のためにOPTは必要ですか?
A

必須ではありませんが、現地就職を目指す場合には、ほぼ不可欠です。

アメリカでは即戦力が重視されるため、実務経験の有無が採用に大きく影響します。

アメリカの企業が最初から就労ビザ(H-1Bビザ)のスポンサーになるケースは多くありません。まずはOPTで実務経験を積み、その後に企業がビザのスポンサーになって就労ビザを申請するのが現実的なルートです。

Q
アメリカと日本のインターンの違いは何ですか?
A

主に期間や内容に違いがあります。

日本のインターンでは、短期と長期の場合があり、主な目的は「企業の業務を体験する」「ミスマッチを防ぐ」といった体験の要素が中心です。

一方、アメリカでは長期のインターンを通じて、実際の業務やプロジェクトの一部を任されることが多いのが特徴です。体験より実際の成果が求められます。

この違いから、大学卒業後の就活では、アメリカでは日本に比べてインターンの経験がより重視される傾向があります。

まとめ

自分の強みやスキルを伝えるという就職活動の本質は共通していますが、日本とアメリカではその伝え方や評価の基準に文化的な違いがあります。

アメリカでの就職活動を成功させるには、こうした違いを理解し、現地のルールに合った適切なアプローチをとることが欠かせません。

特に、インターンシップの位置づけは日本と異なり、新卒者にとっては、採用の合否を左右する決定的な要素です。

本記事を参考にアメリカと日本での就職活動の違いを理解し、必要な準備を進めることで、有利にステップを進めていきましょう。


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